献眼(角膜提供)に関するページ

1.角膜移植が可能な病気

 角膜が、病気やけがのために白く濁ったり変形したりすると、眼底の網膜に光が伝わらず、物が見えなくなります。その代表的な病気は次のようなものがあります。

1)円錐角膜

円錐角膜 円錐角膜
 
円錐角膜 円錐角膜

2)角膜白斑

角膜白斑 角膜白斑

3)角膜変性症

角膜変性症 角膜変性症

4)水泡性角膜症状

水泡性角膜症状 水泡性角膜症状

2.角膜移植

 白く濁ったり変形した角膜を透明な角膜と取り換える手術を角膜移植と言います。移植する角膜は、亡くなられた方から善意にご提供頂いた角膜を使わせて頂きます。そのためには、角膜の提供をして下さる方(ドナー)が必要です。

3.献眼登録

 生前に、リビング・ウィルとして「自分の死後に眼球(角膜)を角膜移植のために提供するという意思」を登録することを献眼登録と言います。但し、今のところ15歳未満の方の献眼登録は受け付けていません。
1)献眼登録をするには、
2)献眼登録の流れ

① パンフレット、献眼登録申込書(ハガキ)の入手
 -イベント、保健所、医療機関或いはバンクから取り寄せ-
② パンフレットを熟読後、家族での話し合いを行う
③ 献眼登録申込書に記入
-記入漏れのチェック-
④ 献眼登録申込書の投函
-バンクにてコンピューターに入力し、献眼登録カードを作成・投函-
⑤ 献眼登録カードの受け取り
⑥ 献眼登録カードの免許証等と一緒に常に携帯

4.献眼(角膜提供)

 死後に眼球(角膜)を角膜移植のために提供することを献眼と言いますが、まだまだご提供頂く方が少ないのが現状です。
 県内での角膜移植を希望されている方=146人(全国54アイバンク中第2位)

1)献眼の特徴

  • ①献  眼=心停止後が基本です。(死後6時間以内での提供が理想)
  • ②提供意思=遺族の承諾で可。「臓器提供意思表示カード」「献眼登録」等は不要。
  • ③提供場所=医療機関、自宅、葬儀場所何処でも可。
  • ④提供に関する費用負担、年齢制限はありません。
  • ⑤角膜が透明であれば、近視や白内障があっても提供できます。
  • ⑥申し出られて献眼が終わるまで、おおよそ3時間程度係ります。
    (提供地域にもよります)
  • ⑦ご遺体をお返しする際に、お顔が変わらないようにします。(義眼の装着)
  • ⑧頂いた角膜のうち、医学的に適さない時は、移植できない場合もあります。
  • ⑨広島県での献眼は、原則角膜のみを提供していただくことになっています。

2)遺族の思いと申し出

  • ○身内の死でパニックになって、ドナーカードを持っていることを思い出せない。
  • ○医療関係者に迷惑を掛けるのではとの思い。
  • ○遺体に傷つけたくないとの思い。
    【「眼玉を取られてどうやって三途の川を渡るのか」という意識】
【ある献眼登録者遺族の手紙(抜粋)】
義母○○子は、2年前に心臓マヒで亡くなり、急なことで角膜登録をしていたことを思い出せず、故人の意思を尊重できませんでした。私の実父の時も急な亡くなり方でしたので、やはり同様のことになりました。 何となく本人の意思の尊重が出来なかったことで、後味の悪いものが残りました。声のかけにくい心情は分かりますが、何方か声をかけていて下さっていればと思いました。周囲の心の準備のないまま亡くなる場合、大いにあることだと思いますが、取りあえず、申し訳ありませんが、抹消して下さい。

3)提供者遺族の意識

  • ○本人がドナーカードを持ち、その意思を尊重した。
  • ○本人は不幸にして亡くなったが、その一部は生き続けているとの意識
  • ○悲しみの中でも、人の役に立ったという意識
    (グリーフケア【死別悲嘆のケア】としての意味)
《生き続ける角膜》
(前略)主人の肉体は消滅し深い悲しみの中にも、角膜だけは生き残り、新しい視力となって何処かでお役に立って時、淋しさの中にも幾らか救われるような気持ちが致します。 (後略)
《生き続ける夫の角膜》
(前略)悲しくてやりきれない時でしたが、「主人はアイバンクに登録しています。本人の意思を大切にし、献眼をしたいのでどうぞよろしくお願い致します。」とても勇気のいる言葉でしたが、率直にアイバンクに申し出ることができました。
 沢山の方々が角膜を待ち望んでおられます。ありがとうございます。」と言われた時、主人の目が少しでも人様のお役に立てるんだと思うと、亡くなった淋しさの中で、唯一の明るい喜びでした。(後略)

5.献眼して頂ける方の条件と一般的な移植までの流れ

 次の条件に抵触する方は、移植を受ける方に病気が移ることがありますので、献眼をご遠慮頂くことになります。

1)国が定めたドナー適応基準

眼球提供者(ドナー)となることが出来る者は、次の疾患又は状態を伴わないこと
① 原因不明の死
② 細菌性、真菌性又はウィルス性全身性活動性感染症
③ HIV抗体、HTLV-1抗体,HBs抗原、HCV抗体などが陽性
④ クロイツフェルト・ヤコブ病及びその疑い、亜急性効果性全脳炎、進行性多巣性白質脳症等の遅発性ウィルス感染症、活動性ウィルス脳炎、原因不明の脳炎、進行性脳症、ライ(Reye)症候群、原因不明の中枢神経系疾患
⑤ 眼内悪性腫瘍、白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫等の悪性リンパ腫
これ以外での禁忌事項もありますので、献眼時に摘出医にご確認下さい。

2)献眼の申し出から移植までの一般的な流れ

①献眼の申し出

ア 前提条件   ・遺族の総意での献眼意思であること。
・感染症等ドナー適応基準に抵触していないこと。
・死後6時間以内での角膜摘出が可能であること。
 
イ 連絡先   ひろしまドナーバンク【24時間体制】
(082)256-3523
 
ウ 連絡内容
○献眼される方の「氏名」「年齢」「性別」「死因」「死亡時刻」「摘出予定場所」
○献眼連絡をされた方の「連絡先」

②角膜摘出

  • ア 摘出医来訪(連絡を受けて3時間後)=原則大学眼科医師2名
  • イ カルテ等の閲覧(感染症等の確認のため)
  • ウ 遺族との面談(インフォームド・コンセント)
    面談内容
    ○「提供承諾書」の受領 ○採血への了解
    ○問診(欧州滞在歴等の確認)○「死亡診断書」写しの受領など
  • エ 採血(5cc)=鎖骨下静脈から摘出医が採血
  • オ 角膜のみの摘出=摘出時間(約60分)
  • カ ご遺体の返却(義眼を装着し、遺族に顔貌の確認をして頂く。)

③摘出角膜及び検体検査

 摘出医師が広島大学病院まで搬送し、次の検査を行う。

  • ア 検体検査(5ccの血液) ⇒検査機関(SRL)に検査依頼。
    ○検査内容【HBs抗原、HCV抗体、梅毒、HIV抗体、HTLV-1抗体】
    ○検査結果=1~4日後
  • イ 内皮細胞解析検査(スペキュラーマイクロスコープ)
    2,000個/mm2以上が理想

④角膜移植者の選定と角膜のあっせん

 検査結果による角膜の安全性確認後、待機時間の長短により角膜移植者を選定し、角膜をあっせんする。

⑤感謝状等の贈呈

  • ア 葬儀等にライオンズクラブからお渡しする。
    【弔電の打電、花輪、感謝状(バンク理事長、ライオンズクラブガバナー)】
  • イ 厚生労働大臣感謝状の贈呈(献眼後3週間後)

⑥角膜移植

 【広島大学病院、県立広島病院、木村眼科内科病院、尾道総合病院】