献眼(アイバンク)について

献眼について

献眼(けんがん)とは

『自分の死後、角膜(眼球)を病気等により目が不自由となられた方の角膜移植のために提供する』ことを献眼といいます。
その意思を生前に申し出て、お名前を登録することを献眼登録といいます。
献眼は一般的には全眼球を摘出させていただいておりますが、広島県では角膜(黒目の部分)のみのご提供を頂いております。
ご提供いただいた角膜は、角膜移植を待っておられる方に移植され、光を取り戻せる可能性があります。
角膜移植は、尊い善意の献眼があってはじめて成り立つ医療です。

角膜とは
角膜は、眼球の一番前にある透明な組織で黒目に相当します。
外から来た光は、この角膜を通って、眼球の中に入り眼底の網膜に達し、それが脳に送られはじめて物が見えるのです。
角膜移植とは
白く濁ったり変形した角膜を透明な角膜と取り換える手術を角膜移植と言います。移植する角膜は、亡くなられた方から善意にご提供頂いた角膜を使わせて頂きます。
角膜移植は角膜の病気以外の、例えば網膜や視神経の病気で視力を失った目には適応になりません。
角膜移植に使用される角膜

移植に用いる角膜は、亡くなられた方から提供を受けます。
角膜が透明であれば、近視や乱視や白内障があってもさしつかえありません。また、年齢制限もありません。
ただ、角膜が混濁している場合や感染する病気を持っていた場合には移植に使用できないことがあります。

角膜移植が必要な疾患
病気やケガのために白く濁ったり変形したりなど、眼底の網膜に光が伝わらず、物が見えなくなります。
その代表的な病気は次のようなものがあります。
・角膜白斑
角膜が炎症や感染を起こした後に瘢痕性の変化として混濁が残存する
・水疱性角膜症
疾患や手術により角膜内皮細胞が減少することにより浮腫が発生する
・角膜穿孔
感染、外傷、膠原病などにより角膜が穿孔する
・円錐角膜
若年者に多い疾患で薄くなった角膜中央部が前方に突出してくる
献眼の連絡先と流れ
1.献眼(角膜提供)について

◇亡くなられてから角膜提供まで=6時間以内の摘出を理想としております。
◇ご遺族の承諾があれば献眼が可能です。(改正臓器移植法:平成22年施行)
◇年齢制限はありません。
◇費用負担はありません。
◇角膜摘出後に義眼を装着します。
◇摘出等の処置時間は約50分です。

2.ご確認させていただくこと

①献眼者氏名 ②年齢 ③性別 ④死亡時刻 ⑤死因 ⑥死亡施設名 ⑦摘出予定場所⑧折り返しの連絡先(氏名、続柄、電話番号)

死因によってはご提供いただくことが出来ない場合がございます。ご連絡をいただいた際にご確認させていただきます。

3.ご依頼事項〈摘出が決まってから〉

お伺いしました摘出医もしくはスタッフから献眼についてご説明させていただき、必要な書類等の準備をさせていただきます。

・眼球(角膜)提供承諾書に署名捺印
・ドナー適応基準(角膜移植に係る適応基準)に則り、病歴等の確認
・死亡診断書(写し)の提供
・ご遺体からの採血(8cc)
 より安全な移植を行うため採血をさせていただき、感染症検査をさせていただきます。
・角膜の乾燥防止のご依頼(ご連絡をいただいた際にご依頼させていただきます)
 眼を閉じ、まぶたの上に濡れたガーゼで保護をお願いいたします。

4. 献眼から角膜移植まで

献眼後、感染症等の検査を経て、角膜移植を必要とされる患者さんへ移植されます。

献眼を希望される場合はご家族の総意のうえ
ひろしまドナーバンクにご連絡ください
親族優先提供について

平成22年1月17日より、親族に対し角膜を優先的に提供したいという意思表示をすることが可能となりました。

  • 1)書面による臓器提供及び親族優先提供の意思表示があること。
    (アイバンク登録カード・臓器提供意思表示カード等に「私は、親族
    優先提供を希望します。」旨の書面表記)
  • 2)家族・遺族の総意による承諾であること。
  • 3)ドナーが15歳以上であること。
    (民法上、遺言状が書ける年齢=法的に有効な意思表示)
  • 4)提供を受ける親族が「移植希望登録」をしていること。
  • 5)移植を受ける方が該当する「配偶者、子及び父母」であること。
    (戸籍謄本等の公的証明書により確認)
  • 6)医学的条件を満たしている。

※提供できないケース

  • 1)「◯◯さんにだけ提供する」という限定する意思表示があった場合は認められない。さらに提供そのものができなくなる。
  • 2)親族提供を目的とした自殺を防ぐため、自殺者からの親族提供はできない。
献眼登録をご希望の方へ

(公財)ひろしまドナーバンクまで、電話、FAX、またはE-mailでご連絡ください。献眼申込書・パンフレットを送付致しますので、必要事項をご記入の上、投函ください。※広島県在住の方に限ります(献眼登録はお住まいの各アイバンクとなっております)

献眼申込書を電話で取り寄せ送付
082-256-3523
(1)ドナーバンクに連絡する
(2)ドナーバンクから申込書・パンフレットが届く
(3)『献眼申込書』に記入・ポストに投函する
(4)ドナーバンクにて登録・登録者カードの発行
献眼申込書をダウンロードしてFAXで送付
082-256-3522
献眼申込書をダウンロードしてE-mailで送付
hkjbank@urban.ne.jp
献眼を希望している意思をご家族が知らないと、万が一の時にあなたの貴重な意思が活かされない可能性があります。そのためにも、日常より家族と十分な話し合いをお願いしております。

医療従事者の方へ

献眼(角膜提供)のお申し出があったら
1. 献眼(角膜提供)について

◇亡くなられてから角膜提供まで=6時間以内の摘出を理想としております。
◇ご遺族の承諾があれば献眼が可能です。(改正臓器移植法:平成22年施行)
◇年齢制限はありません。
◇費用負担はありません。
◇角膜摘出後に義眼を装着します。

2.お聞きしたい情報

①献眼者氏名 ②年齢 ③性別 ④死亡時刻 ⑤死因 ⑥死亡施設名 ⑦摘出予定場所⑧折り返しの連絡先(氏名、電話番号、施設名、○○科、 〇階○○病棟など)

死因などの「非適応基準」を確認させていただき、移植禁忌の場合には、ご遺族にご提供いただけないことをお伝えします。

3. 提供施設へのご依頼事項〈摘出が決まってから〉

◇角膜の乾燥防止のご依頼
  (眼を閉じ、まぶたの上に濡れたガーゼで保護する)
◇病室、霊安室等での処置が可能な場合にはご協力をお願いいたします。
◇摘出等の処置時間は約50分です。
◇お顔以外のエンゼルケアは可能です。
◇ご遺体からの採血(※任意)へのご協力をお願いする場合がございます。
  ( 生化用 もしくは ウイルススピッツ(8cc ))

○非適応基準等の確認
●原因不明の死
●全身性活動性感染症(敗血症など)
●HBs抗原(B型肝炎)、HCV抗体(C型肝炎)、
  HIV抗体(エイズ)、HTLV-1抗体、などが陽性
●活動性ウイルス脳炎等(原因不明の脳炎、進行性脳症など)
●原因不明の中枢神経系疾患
●重症急性呼吸器症候群
●眼内悪性腫瘍、白血病、悪性リンパ腫 等
厚生労働省健康局”眼球のあっせんに関する技術指針”に準拠
(H24.4.1 一部改正)
摘出可能と判断出来たら、摘出医を派遣いたします。
献眼を希望される場合はご家族の総意のうえ
ひろしまドナーバンクにご連絡ください

献眼啓発事業について

献眼啓発物の貸出
地域における移植医療に係るイベントを企画される場合に次の啓発グッズの提供或いは貸し出しを行います
角膜パネル(貸出)

タテ85cm×ヨコ60cm1セット8枚組

献眼のぼり(貸出)
献眼申込書・パンフレット(提供)
献眼啓発DVD「ヒ・カ・リ」(貸出)
献眼啓発DVD(日本アイバンク協会作成物)
※貸出は学校・公共団体など法人に限ります
(個人への貸出は行っておりません)
ドラマ:21分 活動紹介ドキュメント:14分
献眼ポスター(提供)※数に限りあり
献眼出前講座

広く普及啓発活動を展開するため、地域で開催される会合等に出向き、献眼に係る講演会等に講師を派遣致します。

〇医師  〇ドナー家族

〇移植者 〇アイバンクスタッフ

お問合せ先
 TEL:082-256-3523(平日9:00~17:00)

よくあるご質問

Q:角膜提供をするのに年齢制限はありますか?
A :ありません。
Q:アイバンクにドナー登録していなくても眼球提供は出来ますか?
A :出来ます。ご家族の承諾が得られれば、ドナー登録されていなくても献眼いただけます。
Q:提供するとき、移植の相手を指定することは出来ますか?
A :親族優先提供が可能です。ただし優先提供できる親族は、「配偶者、子及び父母」とされています。またドナーとなりうる方が、
生前に親族優先の意思を書面により表示しており、移植を受ける側も事前に移植希望登録されていることが前提となります。
Q:献眼出来ない場合がありますか?
A :いくつかの病歴、感染症等により亡くなられた場合及び医学的に提供が困難な状況の時は、献眼いただけないことがあります。
Q:アイバンクに連絡するのは死後何時間以内なら献眼可能ですか?
A :広島県では死後6時間以内が望ましいとされていますが、なるべく早くご連絡ください。
Q:老眼でも提供できますか?
A :角膜が透明であればご提供いただけます。
Q:白内障の手術を受けましたが、それでも提供はできますか?
A :角膜が透明であればご提供いただけます。ご提供後にアイバンクによって精密な検査を行い、移植に使用可能かを判断させていただきます。
Q:処置について教えてください。
A :日本の多くのアイバンクでは、全眼球摘出という方法で処置を行いますが、広島県では「角膜」のみのご提供をいただいております。
ご提供時には50分ほどお時間をいただき、摘出した部分には義眼を装着し、できるだけ元のお顔に近い表情に整えます。
Q:登録した後でも、献眼登録を取り消すことは可能ですか?
A :取り消すことは可能です。献眼登録は、いつでも取り消すことが可能です。ご家族が反対されていたり、ご意思が変わられましたら事務局までその旨をご連絡ください。
Q:家族が提供に反対しているが、私の意思だけで提供することはできますか?
A :残念ながらご提供いただけません。ご提供いただくには、ご家族がそのことを十分に理解し、了承されていることが不可欠です。
ご家族の中に、お一人でも異論がある場合はご提供いただくことはできません。日頃から、ご提供についてご家族で話し合い、「提供する」「提供しない」どちらかの意思を表示しておくことが大切です。
Q:登録カードと意思表示カードは違うの?
A :違います。「臓器提供意思表示カード」は「提供しない」という表示もできるカードで、いわゆるドナーカードではありません。
ただし、脳死下或いは心停止後での臓器提供を表示されている場合には、生前の意思表示としての意味からは違いはありませんし、
 「心停止後での眼球」に○がされていれば、献眼登録と同じ意味になります。
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